複式簿記で家計簿をつける
こんばんは、まろたです。
これまで少ない労力で効果の高い家計管理の方法を紹介してきました。
今回は一転して、私が日々取り組んでいるすごく労力をかけた家計管理の方法を紹介します。
複式簿記とは
やっとこのブログのサブタイトル「複式簿記での家計管理」を紹介できます。
複式簿記とは、1つの取引を「借方」「貸方」の2つに分けて記録する方法です。
この記録のことを「仕訳」と呼んでいます。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
例えば、スーパーで夕食の買い物をしたとすると、以下のように仕訳を記録します。
(借方)食費1,000円/(貸方)現金・預金1,000円
これは、借方と貸方それぞれに注目して読み解くと意味が分かりやすいです。
借方に注目すると「食費がかかりました。支払方法は現金でした」という情報を得られます。
貸方に注目すると「現金が減少しました。食費として支出したためです」と読めます。
多くの人が使っている(単式)家計簿は、この貸方が現金・預金に固定されたものです。
その場合、貸方の情報は不要で、借方の食費1,000円だけ記録すれば良いことになります。
従って、現金以外に資産も負債も無い場合、複式簿記の必要は無いです。
ただ、実際の生活では支払いの手段は常に現金とは限りませんよね。
もし、支払をクレジットカードで行った場合は以下のようになります。
(借方)食費1,000円/(貸方)未払金1,000円
借方に注目すると「食費がかかりました。支払方法はカードでした」
貸方に注目すると「カード残高が増加しました。食費をカード払いしたためです」と読めます。
そして、カードの利用代金が口座から引き落とされた時に以下のように記録します。
(借方)未払金1,000円/(貸方)現金・預金1,000円
借方に注目すると「カード残高が減少しました。現金が引き落とされたためです」
貸方に注目すると「現金が減少しました。カード利用額が引き落とされたためです」と読めます。
複式簿記で家計簿をつけて家計管理をすると、資産や負債の残高と増減理由が全て分かります。
企業と同じレベルの収支・残高管理をしようと思った場合、とても有用な手法だと思います。
私は全部の取引をその日のうちに複式簿記で記録しています。
とは言え、普通はもう少し負荷を減らしたいですよね。
例えば、「現金・預金以外の資産・負債が増減する取引のみ全件記録する」
そして、「クレジットカード払いは引き落としの際に記録する」という方法はどうでしょうか。
家計で起こる取引の殆どは現金・預金かクレジットカードによる支払いだと思います。
それ以外の、ローンや奨学金の返済、株の売買等は全件記録しても負荷は少ないでしょう。
(借方)借入金1,000円/(貸方)現金・預金1,000円
借方に注目すると「住宅ローン残高が減少しました。現金で返済したためです」
貸方に注目すると「現金が減少しました。住宅ローンを返済したためです」と読めます。
現金・預金が増減する普通の取引については、以前ご紹介した方法が使えます。
大きなものだけ別で記録して、残りは残高から差し引きで求めればOKです。
複式簿記に日常的に触れるメリット
今までも散々書いてきた通り、普通の人は複式簿記で家計管理する必要はありません。
また、複式簿記を理解すること自体がそんなに簡単なことではないと思います。
借方・貸方という言葉を聞くだけでアレルギー反応を起こす方もいらっしゃるでしょう。
ただ、私は複式簿記に日々触れることによるメリットは大きいと考えています。
先ほど述べた通り、複式簿記は必ず借方と貸方に分けて記録します。
「1つの物事を2つの視点から捉える」という作業を毎日やるわけです。
これが、物事を多面的になる癖をつけるのに役立っていると思うのです。
また、儲け話にひっかかる可能性を下げてくれる効果もあると思います。
例えば、入会金5000円を払うと10,000円貰える話があったとします。
そういう話を聞いた時、まずは仕訳をイメージします。
(借方)未収金10,000円/(貸方)収益10,000円
(借方)諸会費5,000円/(貸方)現金・預金5,000円
こんな感じですね。この場合本当にこの未収金が振り込まれるのか疑います。
(借方)現金・預金10,000円/(貸方)収益10,000円
(借方)諸会費5,000円/(貸方)現金・預金5,000円
現金がすぐに振り込まれる場合はこんな仕訳になります。
この場合、この取引だけを見れば特に疑うところは無いですね。
こういう時は、現金を振り込んでくる相手の仕訳もイメージしてみます。
(借方)雑費10,000円/(貸方)現金・預金10,000円
(借方)現金・預金5,000円/(貸方)収益5,000円
こんな感じ。でも、これだと相手にとってのメリットは無いですよね。
きっと何か仕掛けがあるんだろうな…情報の横流しかな…
少なくともこの相手からの買い物が多額にならないよう気を付けよう。
…なんてことを考えます。
この程度の話であれば別に複式簿記を知らなくても騙されないでしょうが。
でも、一旦立ち止まって全体を見渡す習慣は間違いなく身に付きました。
複式簿記での家計管理、もし興味のある人が居たら試して欲しいなと思います。
もちろん、まずは残高の推移を押さえる基本の家計管理が先ですけどね!