リタイヤ後の所得税・住民税の申告方法について


こんばんは、まろたです。

進捗報告以外の記事を書くのはもう半年以上ぶりになります。

今日は進捗報告時の作成時にも毎回計算しているリタイヤ後の配当収入等に係る所得税、

住民税の計算について、改めて整理をしてみたいと思います。

収入の多寡によって有利な申告方法は変わってくる

以前の記事で、リタイヤ後の税金申告について、基本的な計算方法を記したことがあります。

株式の配当金に係る所得税および住民税には3つの申告方式があり、それぞれ選択できます。

「源泉分離課税」「申告分離課税」「総合課税」の3つです。

今はサラリーマンをやっているので、両方とも源泉分離課税という方式をとっています。

配当金で生活する場合、所得税は総合課税という方式に変更しようと思っています。

それによって、税率が現在の約20%から約10%へと引き下がります。

健康保険料等の観点から、住民税は源泉分離課税のままにする予定です。

基本的な方針はこの時記載した通りですが、厳密に言えばベストな申告方法は収入額によって

変わるため、もう少し細かく場合分けして選択する必要があります。

住民税と所得税でそれぞれ計算方法等が違いますので、まずは影響の大きい住民税から考えます。

「住民税非課税世帯」となる条件

住民税の申告方法を考える上で、「住民税非課税世帯」に該当するかどうかは重要な論点です。

国民年金の全額免除を受けられる高額療養費制度の上限が大幅に引き下げられるなど、単なる

住民税の納付不要以上のメリットがあります。

また、全額免除ではありませんが住民税の申告における所得が少ないほど、国民健康保険

保険料も安くなります。

先ほど取り上げた過去記事でも触れたとおり、配当収入以外に収入の無い状態で、配当に係る

住民税の申告方法を「源泉分離課税」とした場合、配当に係る住民税が5%徴収されるものの、

この申告区分を選択することで配当収入は通常の住民税計算の所得からは分離されるため、

住民税非課税世帯と認定されることになります。

ただ、申告方法で「総合課税」を選択して通常の住民税計算に含めた場合でも、配当額が一定

未満であれば住民税非課税世帯と判定されます。

過去記事ではこの場合の考慮がなされていませんでした。

総合課税を選択した上で住民税非課税世帯となれば、当然ながら源泉分離課税では徴収される

5%の住民税もかかりません。

判定の計算式はお住まいの自治体によって違いますが、検索にヒットしたので大阪市の計算式

例示してみます。

合計所得金額<=35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)の人数+21万円

同一生計配偶者の合計所得金額が38万円以下、という点に留意が必要でしょうか。

我が家の場合は妻と私の2人が人数カウントされますので、

合計所得金額(配当金の世帯合計)<=35万円×2人+21万円=91万円

となります。

つまり、税引前の配当金額が91万円以下の場合、源泉分離課税(=申告不要)

を選択しても、総合課税による申告を選択しても、住民税非課税世帯となります。

以下、場合分けしてまとめてみます。

パターン1.世帯合計の税引前配当金額が91万円以下の場合

夫婦ともに総合課税を選択⇒住民税はかからない。住民税非課税世帯認定も受けられる。

(ただし、夫婦のうちどちらかに帰属する配当額が38万円以下になるよう留意する)

パターン2.世帯合計の税引前配当金額は91万円を超えているが、夫婦どちらかに帰属する税引前配当金額が91万円以下

夫婦のうち税引前配当金額が少ない方が総合課税を選択、もう一人は源泉分離課税を選択

⇒住民税非課税世帯認定を受けられる。ただし源泉分離課税を選択した方に帰属する配当金の5%分住民税が課税される。

パターン3.夫婦それぞれに帰属する税引前配当金額がともに91万円を超えている

夫婦ともに源泉分離課税を選択⇒住民税非課税世帯認定を受けられる。ただし配当金の5%分住民税が課税される。

所得税を総合課税で申告した場合、基礎控除及び配偶者控除が使える

所得税については住民税のような絶対に下回りたい所得額はありません。

総合課税を選択した場合、所得額によって課される税率が変わるので、源泉分離課税を選択した

場合と比較してどちらの税率が低くなるかで申告方式を選択することになります。

我が家は米国株を中心とする外国株式による配当を想定しているため、配当控除は使えません。

そのため、単純に所得税率10%以下になる(所得が330万円を下回る)場合、総合課税を

選択するのが有利と言えます。

所得税についても過去記事で考慮していなかったことがあります。基礎控除の存在です。

総合課税を選択する場合、配当収入がそのまま所得となるのではなく、基礎控除が使えます。

基礎控除の額は現在年間38万円、令和2年以降は48万円に引き上げられます。

つまり税引前配当金が48万円以下なら所得はゼロとなり、所得税はかかりません。

また、夫婦どちらかの所得が48万円以下の場合、配偶者控除も使えます。

配偶者控除の額は年間38万円あります。基礎控除と合わせれば86万円にもなります。

しかも基礎控除は夫婦それぞれについて使えますから、夫婦ともに株式を保有していれば

世帯合計で最大134万円の税引前配当金があった場合でも、所得税はかかりません。

所得税の納付がなければ、外国源泉税の還付はナシ

ただし、我が家が主に投資しているアメリカ株式のように現地での外国源泉税については、

所得税を納めていなければ還付を受けられませんので、全額納付することになります。

アメリカ株式の外国源泉税は額面金額の10%です。

我が家の場合、これが当面実質的な税コストになります。

ちなみに、日本株からの配当であればこの税がかからない上に配当控除まで使えます。

ただ、税務メリットを鑑みても尚、中々長期投資の対象にしたい会社が見つかりません。

今後の進捗報告における税金の考え方について

2019年9月時点の我が家の税引前配当金は年間628,345円だったので、仮に今すぐ

リタイヤした場合、総合課税を選択すれば所得税・住民税ともにかかりません。

税コストとして残るのは外国源泉税だけです。

よって、今後の進捗報告ではその時点で最適な申告方法を選択した場合のより正確な手取り額を

求めるべく、計算方法を変更したいと思います。

また、基礎控除の計算等は年間トータルで考えるため、月別に控除を配賦することは困難です。

そのため、従来の毎月の税引き後配当金をグラフで見せる形ではなく、税引き前の配当金のみを

グラフ化し、年間の税引き後配当金の金額は文章で記載する方法に変更します。

ただ、前月までとの比較可能性を担保するため、2019年10月分のみ、従来方式と新方式の

両方を併記する形で進捗報告をさせて頂きます。

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