株価が下がった時は買い?売り?様子見?


こんばんは、まろたです。

以前、世界的な株価急落を取り上げ、今回は株を買い増したいとお話ししました。

その際、何故様子見や売りではなく、買い増しという選択をしたのか詳しく説明していませんでした。

今回は株価が下がった時に私が考えていたことについて書いてみたいと思います。

株価はどうやって決まっているのか

まず、「株価はどのような要因で決まっているのか」に立ちかえって考えていました。

株価を決める要因は、株価を動かす要因でもあるはずです。

それを把握していれば、急な値動きがあった時にも自分なりの分析ができ、判断が容易になります。

とは言え株価の決まり方はとても複雑で、諸説あります。簡単に断言できるものではありません。

今回はその中で比較的シンプルで私も参考にすることが多い「配当割引モデル」をご紹介します。

計算式はDCF法としてwikipediaにも載っていました。複雑で理解しづらいかもしれません。

こういう時、私はまず「変数」に着目します。細かい計算式よりも、変数の数と内容を把握します。

変数は大きく2つ、「将来にわたる予想配当」「期待収益率」です。

ただ、株価急落の要因を探る場合は配当より利益をベースに考えた方が良いと思います。

配当は利益×配当性向で表されます。配当性向は、利益のうち配当に回す割合のことです。

利益が同じでも、配当性向が変われば配当額は変わります。

また、利益が減っても配当性向を上げれば配当額は変わりません。

したがって配当性向の影響を除いた「将来にわたる予想利益」で考える方がより適当かと思います。

また、期待収益率は更に「リスクフリーレート」と「リスクプレミアム」の2つに分解できます。

よって、株価は次の3変数で決まっていると考えることができます。

「将来にわたる予想利益(≒配当)」「リスクフリーレート」「リスクプレミアム」

繰り返しますが、配当割引モデルを使ってシンプルに考えた場合です。実態はもっと複雑です。

それぞれが変動した場合の株価との関係は次の通りです。

期待収益率とは

変数とその動き方を把握したところで、計算式を見てみましょう。

最もシンプルな条件だと、「株価=予想配当÷期待収益率」となります。

どういう意味でしょうか。そもそも期待収益率とは何でしょうか。

もし、将来的に受け取れる金額と投資額がイコールであれば、投資する意味が無いですよね。

+αが無いと投資として成立しません。

その投資に具体的にいくらの利回りを期待するのか、というのが期待収益率です。

「株価=予想配当÷期待収益率」という式では、期待収益率が上がると株価が下がります。

買値(=株価)が低いほど、+αの部分が大きくなる、ということです。

また、期待収益率は前述のとおりリスクフリーレートとリスクプレミアムで構成されています。

リスクフリーレートとは10年物国債などのより確実な運用対象の利回りのことです。

これと株式や不動産の利回りを比較することになるので、間接的に株価に影響します。

リスクプレミアムとは、不確実な対象に投資することへの見返りと考えれば良いかと思います。

ほぼ確実にリターンが得られる国債等と同じリターンの株式があったら、国債を買いますよね。

先行きが不透明であればあるほど、多くのリターンが得られないと投資の対象になりません。

今回の株安は利益見通しの悪化?期待収益率の上昇?

私は配当を経済的自由達成度を測る指標にするなど重要視しています。

配当は利益から生まれるので、利益見通しが下がった際の追加投資は慎重になるべきです。

特に、市場全体ではなく個社の要因で株価が下がった場合などは売却も選択肢に入ってきます。

一方で、株価そのものはあまり重要視していません。

相続まで視野に入れれば株価は下がったままでも大丈夫ですからね。相続税が安くなりますし。

株価下落の原因が利益見通しの悪化ではなく期待収益率の上昇なら、買い増ししたいところです。

今回の急落についても、考えたのは正にそこでした。どちらの要因が大きかったのでしょうか。

急落の原因は主に米国の利上げと米中貿易戦争だと言われています。それぞれ考えてみます。

1.米国の利上げ

これは主にリスクフリーレートの上昇として作用したと思います。つまり期待収益率の上昇です。

政策金利を上げれば10年物国債の利回りも上がる可能性が高いです。

結果として期待収益率が上がり、株価は下がります。「株価=予想配当÷期待収益率」でしたね。

予想配当を変えずに利回りを上げるには、株価を下げるしかありません。

もちろん、利上げが利益見通しに全く悪影響を与えないとは言えません。

積極的な借り入れが難しくなり、景気が冷え込む可能性があります。

もっと直接的には、借入金や社債等の有利子負債にかかる利息負担が大きくなります。

特に有利子負債を大きく抱え、信用格付けの低い会社ほどダメージを受けます。

ただ、利上げによる影響のメインはあくまで期待収益率の上昇だと考えました。

2.米中貿易戦争

こちらはより利益見通しの悪化の影響が大きいでしょう。

貿易の不活性化、景気の減退懸念など、多くの会社にとって望ましくない状況です。

ただ、私が投資対象としているディフェンシブ株やETFへの影響は限定的だと思っています。

ディフェンシブ株は景気の変動に左右されにくいことが特長です。

景気が悪くなったからといって利益が大きく減ることは考えにくいです。

ETFについても、米国経済全体を長期的に損なうような致命的な要因ではないと判断しています。

また、期待収益率の上昇による部分も小さくないと思います。

先行きの不透明感が強まったことによるリスクプレミアムの上昇です。

不安定な世界情勢の中で投資するのだから、投資家は大きなリターンを求めます。

リスクフリーレートが上がった時と同様、期待収益率が上がり、株価が下がります。

よって、投資対象の業績見通しへの影響は限定的、期待収益率は上昇していると考えました。

 

と、このように考えた結果、今回は買い増しという判断を下しました。

家族のお金を運用しているので、自分の中である程度納得してからでないと投資できませんね。

投資は難しくてまだまだ勉強中ですが、できるだけ根本に戻って考えるようにしています。

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