20代でも年収400万円を超えたらマンションを…えっ?(1/2)


こんばんは、まろたです。

今日は今週とても気になったネットニュースの記事について書いてみます。

本当はすぐに投稿するつもりだったのですが、思いがけず時間がかかってしましました。

いつもより長くなるので、2記事に分けてご紹介します。

20代でも年収400万円を超えたらマンションを買いなさい

こちらの記事です。とても刺激的なタイトルで否応なくクリックしてしまいますね。

まずは皆さんも読んでみて下さい。どんな印象でしょうか。

記事の内容に触れる前に伝えておきたいことがあります。

私は必ずしも分譲より賃貸が良いと思っているわけではないです。

各人の状況次第だと思っていますし、それこそ価値観の問題が大きいと思います。

ブログを始めた時から「分譲か賃貸か」は書いてみたいテーマでした。

今回、構想を先取りする形にはなってしまいますが、書いてみたいと思います。

分譲と賃貸について、どの視点から比較しているか

さて、20代年収400万円でマンションを買うべき、という尖った主張の根拠を探ります。

賃貸暮らしを続けるより早めに家を買ったほうが得である

大事なのは「賃貸から抜け出す」という強い意志を持つことである。まずは「20代の間は借家住まいが当たり前」という感覚を捨てること

のっけから断言しています。分譲が得であることは自明であるかのような書きぶりです。

20代の若者に年収の7倍から10倍の借り入れをして家を買うことを推奨しています。

根拠が中々出てこないのですが、少なくとも金銭的な損得の話をしているようです。

このあたり、どの視点から比較しているのかしっかり確認することが大切だと思っています。

と言うのも、分譲と賃貸の比較には様々な切り口があり、視点の混同が起きやすいからです。

金銭面なのか、価値観なのか、老齢期の住居確保なのか。今回は金銭面ですね。

ずっと賃貸に住んでいるとコストがかかるだけでなく、老後になってまともな家に住むことが難しくなってしまう

少子高齢化が進み、空き家も増える日本で高齢者が借りる物件が無くなるとは思えないのですが…

ただ、それ以前にここは視点の混同が起きている部分かと思います。

「老後に賃貸住宅を借りられるかどうか」は金銭面の損得とはまた別の話です。

金銭面の損得を比較する上で、ここは無視した方が分かりやすいです。

すぐに家を買う場合の生涯の住居費コストを1とすれば、「40歳まで待つ」の場合は1.2、「ずっと賃貸住宅に住む」では1.5にもなる

ここが論拠のようですね。生涯の住居費が一生賃貸よりも少ない、という主張のようです。

この記事だけだと情報が少ないので、同じ著者の別の記事も読んでみました。

実録10年! 持ち家派は賃貸派より「3000万円」おトクだった

こんな記事がありました。またしても刺激的なタイトルです。

どんな根拠で3,000万円という数字が出てきたのでしょうか。

71%、実に7割以上の人がマイホームの価格が購入時より値上がっていることがわかった。

しかも、その値上がり率は購入後10年経過した時点で「+10%」、平均購入価格6000万円ほどに対して620万円増だった

同じマンションに賃貸で住んでいたとしたら、家賃として資金は出ていくことになる。

家賃相場は物件価格の4%相当なので、「6000万円×4%=年間240万円」

10年にして2400万円が手元から出ていく計算だ

値上がり益600万円、家賃相当額2,400万円、合わせて3,000万円という計算のようです。

物件価格6,000万円で10年住んだのに値上がりする物件を想定して書かれた記事なんですね。

色々と指摘したいですが、筆者もさすがに無理があると思ったのか、反論を想定しているようです。

土地はともかく、物件の資産価値は通常は毎年目減りしていく。また、持ち家派の住宅ローンには金利が発生する。

確かにその通り。だが、じつはそうした面を考慮しても俄然、「持ち家派」が有利であるということも論証できる

さきほど、家賃は物件価格の約4%だと書いた。一方で、マンションの資産価値の落ち方は一般的には年平均2%ほどとされている(相場変動が無い場合)。つまり、「4%(家賃)」-「2%(資産の目減り)」=「2%」。つまり賃貸で家賃を払うよりも、持ち家のほうが2%分持ち出しを抑えられる

この時点で、タイトルの3,000万円得、という主張を引っ込めてしまいました。

分譲と賃貸について、どんな条件で比較しているか

代わりに出てきたのは、「物件価格の2%分だけ分譲より賃貸が得」という主張です。

「分譲は生涯の住居費が一生賃貸よりも少ない」という元記事の主張の論拠もここですね。

この主張自体はそんなに違和感のあるものではないです。

ただ、賃貸を選択すれば住宅購入に充てる資金を別の手段で運用することができます。

分譲住宅を購入した場合と、同額を別のものに投資した場合で比較するのがフェアというものです。

投資と住宅購入を同列で論じることに違和感がありますか?

でも、住宅購入は金銭面から見れば立派な投資なのです。筆者も言っています。

実は持ち家を購入する行為というのは、「自宅投資」とも読み替えることができる

私はこの「自宅投資」こそが一番儲けやすい投資手法だと主張していて、その方法を書いた本はベストセラーになった。私自身がそれを実践し、すでに含み益は1億円を超えている。住むために必要な自宅を、儲かりやすい物件を選んで、実際に住むだけ。これを10年単位で住み替えるといういたってシンプルな方法である。

つまり、分譲と賃貸の比較というより不動産による資産運用をするかしないかを比較しているのです。

サラッとすごいこと言ってますね。儲かりやすい物件を選んで、実際に住むだけ。ですか。

まだ社会人経験も浅い若者向けにマンション購入を勧めていたと思ったのですが。プロ向けですか?

ただ、資産運用をするかしないかで差がつくという点については同意します。

余剰資金は銀行預金で保有するのではなく運用に回しましょう、ということですね。

それでも、投資対象は自宅用マンションでなくても良いと思います。

マンションは集中投資ですが、もっと分散させてリスクを下げられる投資対象はあります。

ちなみに米国株ETFの過去平均リターンはインフレ調整後7%と言われています。

過去のリターンは将来を保証しませんが、それは住宅購入とて同じことです。

長くなるのでこのあたりで次の記事に移ります。

住宅購入について重要な論点がまだあるので、お付き合い頂ければと思います。

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