医療保険ついての収支考察


こんばんは、まろたです。

以前、保険加入は期待値計算上損をするという話をしました。

保険会社側から見て期待値がプラスでないと商売になりませんからね。

そして、保険会社が儲かるということは、加入者は損をするということです。

ですので、保険が無いとカバーできない大きな損失に絞って加入する必要があります。

今回は医療保険について考えてみたいと思います。

医療保険が機能するのはどんな時?

医療保険のメイン機能は入院日数に応じて定額が支給される入院給付金です。

月々の掛金を増やせば、給付される入院給付金も増える仕組みです。

特約として三大疾病と診断された際の一時金が支給されるものもありますが、金額は限定的です。

疾病の種類によっては給付日数無制限のものもありますが、大抵は1000日程度が上限のようです。

具体例として人気ランキング1位の医療保険を見てみましょう。

年齢性別によりますが、私の場合月額約1,500円の掛金で1日5,000円の入院給付金。

月額約3,000円の掛金で1日10,000円の入院給付金を受け取れるようです。

くどいようですが、期待値計算上は損をします。そうでないとおかしいです。

まず考えるべきは「現実的に考えられる最悪のシナリオにおける損失額」です。

そして、「それがライフプランに著しい影響を与えるかどうか」を考えます。

答えがYESなら、「使える公的補償が無いか」を考えます。

そして最後に「その保険に入ることで最悪のシナリオを乗り越えられるのか」を考えます。

現実的に考えられる最悪のシナリオとは?

医療保険で対策ができる最悪のシナリオは、入院が長期間続くケースでしょう。

入院治療による医療費と、働けないことによる収入の断絶というダブルパンチを受けます。

専業主婦(夫)世帯で働き手が長期入院となるケースは、特にダメージが大きいです。

共働き世帯の場合は、片方の収入で普段の生活と治療費を賄えるかどうかがポイントになります。

片働きになった場合のシミュレーション方法については以前記事にしましたのでご参照下さい。

もちろん、共働きの場合でも理論上の最大リスクは夫婦ともに入院し続けることです。

ただ、そこまで想定して保険をかけるべきなのでしょうか?

統計学では30万分の1以下の確率はゼロと考えるという話を聞いたことがあります。

1000人に1人が何年も入院し続けると仮定しても、2人ともそうなる確率は100万分の1です。

更に、2人同時に倒れなければ、1人が倒れた時点でもう1人の保険加入を検討することもできます。

それほどの不運に見舞われたなら、民間の保険ではなく社会保障による救済を考えても良いでしょう。

そうでなければ社会保障の存在意義が無いし、どこかで割り切りが必要です。

それより共働きや投資によって収入源を分散する方が、よほどリスクの抑制効果はあると思います。

利用できる公的保障は?

1.高額療養費制度

入院治療による医療費を抑制する制度として、高額療養費制度があります。

これまでの試算でも度々登場しています。かなり重要な制度です。

多くの人はひと月あたり8万円程度の負担が上限となります。

2.傷病手当金

働けないことによる収入の断絶については、傷病手当金で対応できます。

自営業や無職の方が加入する国民健康保険には無い制度である点に注意が必要です。

欠勤により給与支払いが途絶えてから、最長1年6ヵ月分支給されます。

直近1年間の標準報酬月額平均を30で割り、2/3をかけた金額が1日あたり支給額となります。

収入にもよりますが、手取り収入が額面の7~8割程度の方が多いのではないでしょうか。

傷病手当金は額面の2/3≒66%ですから、手取りで考えれば平時の9割近く貰えます。

ただし、標準報酬月額には各種手当も含まれますが、年3回以下の賞与は含まれません

3.障害年金

傷病手当金の貰える1年6ヵ月を超えて入院が続くケースはかなり希だと言えます。

昨今は国の方針としても入院日数の短縮化を図っているので尚更です。

ただ、もし更に入院が続いた場合、かなりの重症であることが想定されます。

そうであれば、障害年金を貰える可能性が高いです。

認定基準は詳細に定められていますが、入院が続く状態は1級または2級に該当するでしょう。

障害年金には障害基礎年金(1~2級)と障害厚生年金(1~3級)の2種類があります。

障害基礎年金は、2級の場合年額779,300円(+子の加算)が受給できます。

障害厚生年金は、2級の場合老齢厚生年金の受給額とほぼ同じ金額が受給できます。

ただし、老齢厚生年金と大きく違う点が2つあります。

1つ目は、被保険者期間が25年未満の場合、25年として受給額を計算してくれる点です。

※被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。

もう1つは、初診日に厚生年金に加入していないと受給資格が無いという点です。

厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること

厚生年金加入期間の短い20代~30代のサラリーマンにとって恩恵は大きいです。

良くも悪くもサラリーマンにしがみつくインセンティブになると思います。

ちなみに、障害年金も「年金」なので、今後減額される可能性は否定できません。

ただ、必要性が高く人数も限定的であることを鑑みると、大きな減額は考えにくいです。

医療保険加入要否~ころまろた家の場合~

我が家の場合、どちらが倒れて片働きになった場合でも最終利益はプラスを確保できます。

更に、月8万円×12か月分の医療費負担が上乗せされてもプラスを維持できそうです。

もし仮に2人同時に入院し続けるようなことになっても、公的補償でカバーできます。

2人同時に入院し続け、更に障害年金を貰えないケースはすっぱり諦めます。

と、いう訳で現状で医療保険への加入は必要が無さそうです。

また実際に長期入院が発生したり、仕事を辞めたりした場合には再検討します。

医療保険についての収支考察まとめ

<医療保険への加入が必要な人>

・自営業、無職である

・片働きである

・貯蓄が少ない

・現状で収支がトントンまたはマイナス

⇒これらの理由で、現状からの収入減少や医療費負担の増加に耐えられない人

<医療保険加入についての注意点>

・基本的には損をする

・必要な分だけ掛ける

・保険加入以上に収入の複線化や貯蓄の積み増しを図る

以上です。参考になれば幸いです。

今後、他の保険についても考察していきたいと思っています。

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