結婚についての収支考察
こんばんは、まろたです。
以前、主要なライフイベントである老後生活について考察しました。
今回も引き続き、主要なライフイベントについて考察していきます。
今回のテーマは「結婚」です。
ライフイベント「結婚」
私のライフプラン試算でも結婚は織り込み済みです。結婚してますからね。
ただ、老後の生活とは違ってこのイベントは回避することもできます。
実際、生涯未婚率は上昇の一途を辿っており、今後も上昇が予想されています。
結婚しない理由についても内閣府が調査しています。
男女ともに「適当な相手にめぐり会わない」が最も多くなっています。
この適当な相手というのが曖昧なので、解決の糸口が見つけにくいです。
でも、私が独身時代に同じ質問をされてもそう答えたでしょうね。
と言うか、「なぜ結婚しないのか」という聞き方がもう嫌です。
結婚するのが正解とでも言いたげな聞き方に感じます。
現在未婚の社長の皆さまはフラットに経営判断して頂ければと思います。
この調査結果で気になるのは、「結婚資金が足りない」という回答です。
男性の29.1%、女性でも17.8%がそう回答しています。
結婚と金銭面の不安について、他にもデータがあります。
(男性の労働形態別有配偶者率)
(男性の年収別有配偶者率)
雇用形態が不安定であればあるほど、また年収が低ければ低いほど、婚姻率は下がるようです。
この調査結果を見ると、年収が低く雇用形態が不安定な人は結婚に尻込みしてしまうかもしれません。
もちろん、年収が高く安定している人が選ばれやすいのは確かなので、不利は否めません。
ただ、「年収が高い人が選ばれやすい」=「結婚生活にはお金がかかる」というわけではありません。
私の経験からしても、結婚した方が生活には余裕が出ます。(子育てについては別途考察予定です)
お互いの年収が今の半分だったとしたら、より結婚による経済的メリットを強く感じたでしょう。
今の生活が苦しい人ほど、不利な戦いでも挑んでいく価値はあると思います。
専有と共有
何故結婚すると生活に余裕が出るのか。
収入は単純に2人分の合算になるだけなので変わりません。
変わるのは費用面です。特に、固定費が大きく減ります。
固定費の大部分を占める家賃と水道光熱費について、この傾向は顕著です。
1.5倍ほどの広さで結婚前と同じ水準の部屋に住めば、一人あたりの負担額は3~4割下がります。
過去に最低限の生活シミュレーションとして月8万円の生活を考えてみました。
家賃は月額4万円を想定しましたが、これは結婚しているからできることです。
2万円の部屋に一人で住むのと4万円の部屋に2人で住むのとは雲泥の差があります。
また、水道光熱費は単純にほぼ一人あたり半額になります。
何故こんなことが起こるのでしょうか。
それは恐らく、一人暮らしのコストには部屋を専有するコストが上乗せされているからだと思います。
自分だけがテレビを使い、トイレを使い、クーラーの風を独り占めする。
そういう贅沢をしている分、追加コストを支払っていると考えられます。
結婚すれば、これらは全て共有になります。
二人で一つのテレビを見て、配偶者も使うトイレを掃除し、クーラーの温度も折衷案になるでしょう。
そうです。大切なのは、日々の生活を共有しても嫌だと思わない相手とめぐり会えるかどうかです。
私が結婚生活にとても満足しているのは、妻と一緒に居るのに何のストレスも感じないからでしょう。
経済的にメリットがあっても、やることなすこと癇に障る相手と住むぐらいなら一人で良いです。
また、結婚してから稼いだお金は二人の共有財産となります。
生活水準や金銭感覚が合わない相手はストレスが大きいでしょう。
お金に関する話し合いを嫌がる相手も共同生活には向きません。
ここでもう一度、結婚しない理由を見てみましょう。
適当な相手に巡り合わないから結婚しない、というのは真っ当な判断ではないでしょうか。
曖昧だった「適当な相手」は、日々の生活や財産を共有しても良いと思える相手なのかもしれません。
よく、「一緒に居て落ち着くと思った」というのを結婚の決め手として挙げる夫婦が居ますよね。
あれは結婚の持つ「専有⇒共有」という経済的な特性からも理に適っていると言えます。
恋愛の高ぶりの延長線上に結婚があると思っている人にとっては、違和感があるかもしれません。
でも、日々の生活や財産を共有しても良いと思えるって、かなり好きな相手だと思いますよ。
逆に、恋愛対象としては好きだけど、財産や生活の共有は難しい相手というのは結構居そうですよね。
自分にとって「適当な相手」を明確に意識し、見つかるまで結婚しないというのは合理的に感じます。
そして運良くそういう相手に巡り会えたら、結婚はお互いを幸せにできるライフイベントになります。
リスク分散効果
更に、結婚は他にもライフプランにプラスの影響を与えてくれます。
収入源が夫と妻の2つになることで収入減少・断絶リスクに対する分散効果が期待できます。
分散するとリターンが平均に近づくのは株式投資も共働きも同じです。
仮に、病気やリストラによる収入断絶リスクが10%あるとします。
独身だと今後も変わらず稼ぎ続ける可能性が90%、収入が無くなってしまう可能性が10%です。
これが共働きになると、「片方だけが働けなくなる」という新たなパターンが発生します。
2人共稼ぎ続ける可能性が81%、片方の収入になる可能性が18%、ゼロになる可能性が1%です。
片方の収入で生きていける生活レベルを心掛ければ、生活が破綻する可能性をぐっと下げられます。
我が家は共働きの収入に配当による収入を加えて更にリスク分散を図ろうとしています。
配当やブログなどで収入源を増やすことは、我が家の中長期計画の主要課題の一つです。
専業主婦(夫)になる場合
共働き前提でここまで話をしてきましたが、専業主婦が悪いと言っているわけではありません。
ただ、専業主婦の場合は結婚による収支の影響がプラスではなくマイナスになります。
具体例で考えてみましょう。月の手取りも支出も20万円だった男女が結婚したと仮定します。
それぞれ家賃7万円、水道光熱費1万円の家に住んでいたのを、家賃10万円の家に引っ越します。
他の支出を何も変えなければ、家賃が14万円→10万円、水道光熱費が2万円→1万円になります。
仕事を辞めなければ5万円貯蓄できます。どちらかが専業主婦(夫)になれば15万円の赤字です。
ただ、専業主婦(夫)になれば支出が減り、食費等の節約効果も出るので10万円の赤字とします。
これをライフプランの収支に反映させてやる必要があります。
個人的には、専業主婦(夫)という役割を設けるなら、友人や兄弟などを巻き込みたいところです。
アメリカのホームドラマ、フルハウスのようなイメージです。
久しぶりに見るとちょっと見え方が違って、でも面白くてどんどん見てしまいます。
あの家に専業主婦(夫)は居ませんが、バリバリ仕事している大人ばかりではありませんよね。
例えば、夫婦2人+友人or兄弟夫婦2人の4人のうち1人が家事に専念する場合を考えてみます。
友人or兄弟夫婦も結婚前の収支や家賃が同じ条件として、十分な広さの18万円の家に引っ越します。
家賃は28万円→18万円、水道光熱費は4万円→2万円になります。(家の広さを考慮)
また、2人の時より4人の方が食費等の節約効果は大きくなります。
2人で5万円とした節約効果を8万円とすると、専業主婦(夫)が居ても収支は±0になりますね。
もちろん、人数が増えるほど共有によるストレスが発生する可能性も高く、現実的には難しいです。
専業主婦(夫)について、「家庭に占める比率」という見方もあるなと思って紹介してみました。
フルハウスをそういう目で見てみるのも、ちょっと面白いと思います。
結婚についての収支考察まとめ
今回の内容について、簡単にまとめてみます。
<ライフイベント「結婚」を回避すべき社長>
・まだ「適当な相手」にめぐり会っていない社長
・家や時間を専有することに高い価値を感じている社長
<ライフイベント「結婚」の収支への影響及び注意点>
・共有によるコスト削減効果で、結婚そのものは収支上プラスに働く
・ただし、ライフプランへの影響額は相手の金銭感覚に左右される
・更に、相手の収入にも左右される(専業主婦(夫)になる場合は影響大)
・共働きなら収入源が増えることでリスクを抑えることができる
・後続イベント「子育て」を回避するかどうかある程度決めておく
以上です。参考になれば幸いです。
とにかく相手次第ですが、相手を選ぶ目線として「共有可否」は重要な着眼点でしょう。
また別のテーマについても考察していきたいと思います。